
最近、SEの話を書いていなかったので、たまには仕事の話でも。
日本のIT技術者の現状
日本には、約100万人のIT技術者がいると言われます。
人間力も、コミュニケーションスキルも、技術者も必要なこの業界なのに、かなり労働時間が長いし、大変な仕事です。
上流のシステムエンジニアは、どこの業界に行っても働けるだろうなーという人ばっかり。
なのに、こんなに大変な仕事してるなんて、ほんと酔狂だよなーと思います。
長くこの業界にいるけれど、好きじゃないと続かない業界なんです。
100万人の技術者にいつも一定の仕事量があればいいのですが、システム開発はかなり景気に左右される仕事です。
ほとんどが大手企業との仕事ですし、赤字の時に設備投資しようとする会社は少ないですからね。
今は大手企業の景気がいいので、技術者がたくさん必要なんですが、リーマンショックのころには、どこも先行き不透明な中で、システムに巨額の投資をすることはなく、IT業界は本当に経営に苦労した時代だと思います。
あの、リーマンショックの頃は、どこも求人を控えたので、その年代に入社していたら育っていたであろう、5,6年目の中堅技術者が今、本当に少ないんです。
なのに、今は大手は好景気。
システムの増強案件が増えているし、住基ネットワークの影響もあって、日本には技術者がぜんぜん足りていません。
一般的に2015年問題のひとつ、といわれている問題です。
建築業界と同じですね。
人がいらない、と切っていった業界は、すぐには技術者は育たないのです。
オフショア開発って
そんな中、日本のIT業界が次の戦力として期待するのが、オフショア、海外開発です。
技術者が確保できる上に、コストも下がるので、検討している企業は多いです。
私も例に洩れず、オフショア案件を抱えています。
あちこちで、オフショアしたけど、ひどいものができあがってきた!なんて話を聞くんですが、成功例と失敗例をみて、やっぱりなー。と思うことがあるので、書いてみようと思います。
オフショアする国はどこがいいの?
一昔前は、中国、香港へのオフショアがブームでしたが、最近では、東南アジアがアツいです。
中国は場所にもよりますが、ここ数年ですっかり単価が上がってしまったのと、反日ブームで日本企業の撤退が相次ぎました。
国ごとに国民性がぜんぜん違うので、合う、合わないをすごく考える必要があります。
個性の強い、韓国、中国はやっぱりなかなか日本の企業に合わせるのは難しい、というのもよく聞く話です。
対して、農耕民族のインドネシアやベトナムは、協調性に富んでいるのでやりやすいのですが、個人が責任を負うのを嫌う、という特徴があったりします。
そして、基本的に、日本人は変わっている。という事実を肝に銘じて仕事をするべきなんだな、と思います。
母国語以外話せず、企業はエスカレーションがとても面倒で、一人では基本、決済権がない、この国民性は、どこの国と取引をしても不思議に思われます。
あと、英語ができるかどうかは、技術力に直結します。
ほとんどの開発ツールや、サードパーティーは、英語の説明書がついています。
困った時にネットで調べても出てくるのは、英語の説明ばかり。
英語ができないと、やり方を調べるのにも困るし、技術力はなかなかアップしないです。
日本人でも英語はあったほうがいいのですが、ちょっと日本は特殊で、日本語の説明は、まだ割とあるほうです。
英語ができるに越したことはないのですが、日本人は英語ができなくてもなんとかやっていけます。
ちなみに、今、私はベトナムでのオフショアをしています。
メンバーは全員英語ができ、日本語のコミュニケーターを付けて、ドキュメントは日本語で納品してもらっています。
オフショアの方法はどうすればいいの?
オフショアをするには、現地とのコミュニケーションがすべて、と言っていいほどです。
仕事のまるなげ、なんてもってのほか。
仕様書を渡してつくってね、というのもたいていうまくいきません。
一番いいのは、現地にSEが張り付きで一緒に作るやり方ですが、それが無理ならテレビ電話やスカイプで、常に連絡が取れる状態にしておくこと、そして定期的に訪問すること、です。
常に連絡がとれる相手は、仕様も技術サポートもできるとなお、いいです。
自分がやってみて、ほぼ毎日連絡して、はじめてプロジェクトがうまくいくんだなーと実感しました。
案件ごとにあっちこっち出すのも難しいです。
一つの会社とながくおつきあいして、信頼できるパートナーになっていく。
それは、海外から見た日本の企業、という意味でもそうだし、日本の企業から見たオフショア先、という意味でもあります。
当たり前だけど、東南アジアの会社だから、という理由で見下したりしていては、オフショアはできません。
日本のパートナー会社と同じように、もしかしたらそれ以上のリスペクトが必要です。
質問されるポイントを作る
はじめてオフショアをだしたときは、設計書にいくつかわざと、「書かない部分」をつくりました。
それをみて、プログラムを作ったら、絶対にこれはどうするんだろう?とか、このチェックはいらないのかな?と思うようなところです。
それに気づくかどうか、が力量テストでもありました。
それに気づいて、これはどうしますか?こう書いてあるけど、このほうがよくないですか?と質問がいっぱいこれば合格です。
これで、独断でつくってしまうようなところは、怖いですね。
こちらの思惑と違うものが出来上がる可能性があります。
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やっぱりこの話は、書き出すと長くなっちゃいますねー。
とりあえず、今日はここまで。
オフショアについては、ちょっと思うことがたくさんあるので、いっぱい言いたくなっちゃうなー。
また続きを書きたいと思います。
ではでは